仕事柄、日本全国にロケに行く機会が少なくない。
地方への宿泊ロケがとても好きだ。
その土地に滞在して、その土地の食べ物を食べ、
土地の言葉を聞き、その土地の季節を感じる。
数えてみると、行ったことがない都道府県は六つ。
そのうち四つは東北。
そして高知と沖縄。
高知は父方の祖父の出身地。
自分のルーツを辿ったことがあり、
祖母の出身地の滋賀には足を運んだ。
そこには今も、血のつながりを持つ人たちが暮らしていると、訪ねたお寺のご住職から聞いた。
高知にもいつか行きたいと思いながら、
どういうわけかご縁がない。
映画「熱狂宣言」の中に、高知のシーンがいくつかある。
たくさんの景色が出てくるわけではないけど、
高知に行ってみたい、という想いが、あの試写の日から、少しずつ私の中で育っている気がする。
そして
松村さんの一番身近なルーツ、
お父様の言葉が本に出てくるのだが
映画について、映画人としてとても嬉しい言葉がある。
お父様は映画人だったのかと思うくらいいい言葉だ。
テレビには答えがある
映画には答えがない
映画を観ろ
スクリーンの魔力と
観ている人の想像力で
完成して公開されているはずの作品が
まだまだ可能性が広がることは
映画の醍醐味だと思う。
この「熱狂宣言」も
そこに映る現実だけではなく、
観た人の感じ方で
これからいくつものストーリーを
生み出すのだ。