GRAFFITI AREA OF NO RULE 落書き無法地帯

熱狂宣”伝”ダイアリー vol.16 高知のシーンを観て

仕事柄、日本全国にロケに行く機会が少なくない。
地方への宿泊ロケがとても好きだ。
その土地に滞在して、その土地の食べ物を食べ、
土地の言葉を聞き、その土地の季節を感じる。
数えてみると、行ったことがない都道府県は六つ。
そのうち四つは東北。
そして高知と沖縄。

高知は父方の祖父の出身地。
自分のルーツを辿ったことがあり、
祖母の出身地の滋賀には足を運んだ。
そこには今も、血のつながりを持つ人たちが暮らしていると、訪ねたお寺のご住職から聞いた。
高知にもいつか行きたいと思いながら、
どういうわけかご縁がない。

映画「熱狂宣言」の中に、高知のシーンがいくつかある。
たくさんの景色が出てくるわけではないけど、
高知に行ってみたい、という想いが、あの試写の日から、少しずつ私の中で育っている気がする。

そして
松村さんの一番身近なルーツ、
お父様の言葉が本に出てくるのだが
映画について、映画人としてとても嬉しい言葉がある。
お父様は映画人だったのかと思うくらいいい言葉だ。

テレビには答えがある
映画には答えがない
映画を観ろ

スクリーンの魔力と
観ている人の想像力で
完成して公開されているはずの作品が
まだまだ可能性が広がることは
映画の醍醐味だと思う。

この「熱狂宣言」も
そこに映る現実だけではなく、
観た人の感じ方で
これからいくつものストーリーを
生み出すのだ。